地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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食餌について

飼い鳥の健康管理を考える上で「何を食べさせるか」はとても大切なことです。
では、どんな食餌が良いのでしょうか?

穀類配合飼料(皮付の鳥の餌)

15年ほど前に、オウム・インコやスズメの仲間たちに推奨される
食餌の栄養成分とその量が発表されました。

これによると一般的な飼い鳥の食餌である穀類4種混合飼料(アワ・ヒエ・キビ
カナリアシード)には、カロリーやタンパク質、脂肪は推奨量が含まれますが、
ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸などは不足しています。

穀類を主食にする場合、野菜やサプリメントなどの副食で不足分を
補う必要があるでしょう。穀類の食餌を与えるときは「皮付き」が原則です。

穀類はより自然に近い食餌

野生のセキセイインコやオカメインコなど中小型インコや文鳥など
フィンチの仲間の多くは乾燥した草原地帯に住み、イネ科植物の種子を
主食にしていますので、穀類はより自然に近い食餌と言えます。

穀類は嗜好性が高い半面、ブレンドの仕方や保存法により成分にばらつきが
生じるなど、栄養のバランスを取りにくいのが欠点です。

また、同じ種類の鳥でも野生下のものと飼い鳥では生活環境があまりにも
異なるため、「野鳥と同じ食餌=飼い鳥に良い食餌」とは必ずしも
言えないようです。

中型インコ用にブレンドされた食餌には、ヒマワリなど脂肪分の多い種子が
含まれているものが多いのですが、カロリーが高いので食べすぎは
肥満を引き起こし、肝臓などに負担をかけますので要注意です。

ペレット

ペレットは栄養学的研究をもとに開発された総合栄養食で、必要な栄養が
バランスよく配合されています。

ヒナ用や成鳥用をはじめ、低カロリー食や高カロリー食、さらに肝臓病用、
腎臓病用、消化器疾患用など処方食まで多くの種類があります。

例えば換羽期では、必要な蛋白質の量が普段の2倍に増えますので、
この時期だけ高蛋白食を与えるなど鳥の状態に合った栄養摂取が
可能となります。

またペレットを常食にすることで、病気時の食餌療法にもスムーズに
対応できます。

飼育環境に合わせて選ぶことも大切です。

飼い鳥の食餌に関しては「これが正解」というものが未だないのが現状と言えます。
ペレットに関しても色々なメーカーが独自の理念で開発しています。
飼い鳥のオーナーの皆さんも常にアンテナを張って、情報を得ることを
お勧めします。

また食餌は、鳥の種類、健康状態や年齢、そして運動量など
飼育環境に合わせて選ぶことも大切です。