地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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お腹やおしりが膨れています

お腹が膨れていることを腹部膨満といいます。

鳥には横隔膜がなく厳密には胸部と腹部に分けることはできませんが、
一般的にお腹とは鳥を横から見て、足のつけ根より少し前方(頭側)から
尾羽の生え際のおしり近くまでを指しますので、”おしりが腫れている”
ようにも見えます。

膨れ方にもいくつかのタイプがあります

膨れ方 全体に太った印象のものから一部が突出しているもの、
さらに羽毛が抜けて皮膚がゴツゴツしているものまで様々です。

いろんな原因でおこります

01010013 卵づまり 肥満から腹部臓器の腫瘍、肝臓の腫れ、腹水、卵管に卵や
卵材(白身や黄身の材料)が詰まる、などなど。

また、明らかに腹部が膨れてきた段階では
その症状はかなり進行していることが多いようです。

鳥類特有の体の構造に起因します

鳥類は体内の臓器のすきまに気嚢(きのう)という薄い膜でできた袋をいくつか持っています。
鳥は気嚢に空気を貯めて、効率よく呼吸をおこなっています。

この気嚢スペースは体内で比較的大きな容積を占めていますので、腫瘍や卵詰まり
などの原因により体内で臓器が腫れていても、初期の段階では気嚢のスペースが
小さくなってそれをカバーするので、外側への圧力がかからず、
その結果、お腹の膨れは認められません。

さらに苦痛を伴わなければ、まったく健康な鳥と変わらず無症状です。

つまり、お腹が膨れてきたときには気嚢スペースの縮小だけではカバーしきれなくなってきた、
病気が進行した、ということを意味しています。

しかしこの段階でも普通に食餌をして、元気に動き回っている鳥もいますので、
食べていても油断対敵です。

早目に受診することをおすすめします

腹部膨満は病気が進行した状態にあることが多いということを認識し、
早期に診察を受けることをお勧めします。

鳥類医学の分野でも診断技術の発達や手術などの治療法の確立により、
早期発見で助かる命が増えています。