地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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回虫症

回虫は消化管に寄生する寄生虫です。

犬や猫にも回虫は寄生しますが、鳥の回虫とは種類が違います。



人や犬・猫への感染は知られていません

鳥に回虫が寄生すると、その卵(虫卵)が鳥の糞とともに排泄されます。

排泄された虫卵が、他の鳥の口に入ってしまう事で回虫に感染します。
人や犬・猫への感染は知られていません。

虫卵は特徴的な形をしているので、便の中にあれば、検便で容易に診断がつきます。
しかし、お腹に寄生虫がいても、常に虫卵が排泄されるわけではないので、
寄生を確認する為に、数回の検査が必要な事もあります。


症状

症状は寄生虫の数によって違います。

少数寄生の場合は無症状であることが多く、
寄生数が増えるに従い消化吸収能力が低下し、
成長不良や体重減少などの症状が現れます。

さらに大量寄生では、寄生虫による腸閉塞が生じ、死に至るケースもあります。



腸閉塞を起こす事があります

犬や猫の回虫は駆虫剤で安全に駆除する事ができますが、
鳥の場合は、駆虫剤により体内で死んだ回虫が原因で、
腸閉塞を起こす事があります。
そのため事前にレントゲン検査を行い、腸閉塞を起こす危険性がないか確認します。

また腸閉塞を起こした場合、迅速な手術が必要です。



消毒薬がほとんど効きません

糞とともに排泄された虫卵は消毒薬がほとんど効きません。

よって、完全に駆除されるまでは、敷き紙をこまめに交換する、
他の鳥さんと食器や洗浄道具を共有しない、などの対策が必要です。