地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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アスペルギルス症

アスペルギルス症は、真菌(カビ)が原因となる感染症です。

アスペルギルス属のカビは、室内に普通に存在するカビです。



猛禽類に多い感染症です

ワシやタカなどの猛禽類に多い感染症ですが、
飼い鳥ではヨウムやボウシインコなど大型のインコでしばしば報告があります。

小型の飼い鳥ではほとんど見る事はありませんが、
オカメインコやコザクラインコ、ボタンインコの幼鳥で報告があります。

この病気にかかりやすいか、かかりにくいかは鳥さんの種類により異なるようですが、
アスペルギルス症を発症するすべての鳥さんは、栄養失調やストレスなどにより
免疫力が低下しています。



カビの胞子を吸引する事で感染します

アスペルギルス症は、鳥さんが空気中に浮遊するカビの胞子を吸引する事で感染します。

気道粘膜に入った胞子はそこで発芽・増殖し、そして肺やさらに奥の気嚢と呼ばれる器官から
全身の臓器に感染が広がっていきます。



症状

症状は、元気や食欲がない、体重が減ってくるなど、
他の病気でもよく見られるような症状から、呼吸困難などの呼吸器症状まで様々で、
病気の進行も急性のものから慢性経過をたどるものまで様々です。

いずれにしても初期の段階で診断をつける事は難しく、
末期や死後に診断される事が多い病気です。



健康な鳥さんでは、まず発症する事はありません

アスペルギルス症は難治性の怖い病気ですが、
健康な鳥さんでは、まず発症する事はありません。

アスペルギルス症から鳥さんを守るには、
ペレットなどバランスのとれた食餌と規則正しい生活で免疫力を高める事と、
糞や食べ残しをこまめに掃除する、換気に気を使うなど飼育環境を清潔に保ち、
カビの増殖を抑える事が大切です。