地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

さつき台通信

鉛中毒

鉛中毒は鉛を食べることで起こる中毒です。



鉛中毒で来院する動物はイヌやネコより、鳥さんのほうが多いです

これには次のような理由が考えられます。鳥は歯をもちません。
そこで、インコなどかたい種子を食べる鳥の仲間は、胃の中に小石や砂を入れて、
これをすりつぶして消化します。

そのためこのような鳥たちは、本能的に小石や砂そして細かな金属まで食べるという
習性をもちます。

鳥に鉛中毒が多いのは、このためと考えられます。



オウムやインコの仲間、特にオカメインコで多く見られます

普段あまり気がつきませんが、鉛は家のあちこちにあります。

代表的なものとして、カーテンのウエイト、電気の配線(ハンダ)、電球、釣り具、
ステンドグラス、古いペンキなどです。



症状

体に取り込まれた鉛は腸から吸収され全身の臓器にたまります。

鉛は赤血球をとかす(溶血)ため、鳥は貧血を起こし、
その結果、糞や尿酸(白い部分)が緑色に変色します。

重症の場合は尿酸がピンク色になります。鉛は神経に対する障害も強く、
脚や翼のマヒをはじめ、行動の異常やけいれんを起こします。
また痛みによる元気消失や食欲不振も見られます。

発見が早ければ治療により回復しますが、発見が遅れ重症の場合は
死にいたることもあります。



放鳥中は鳥さんから目を離さないようにして下さい

鉛中毒の治療は、キレート剤とよばれる鉛と結びついて無毒化させる薬を使います。

鉛やほかの中毒性物質が鳥の口に入るのは、ほぼ100%とりかごから出ている時です。
それも、飼い主さんが鳥から目を離している時に食べていることが多いようです。

放鳥中は鳥から目を離さないようにして下さい。