地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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精巣腫瘍

精巣腫瘍は、セキセイインコのオスでよくみられる病気です。



体温で温められると腫瘍化しやすくなります

精巣は熱に弱く、体温で温められると腫瘍になりやすいため、
イヌやネコでは体の外についています。

しかし鳥は飛ぶことを優先に進化したため、精巣は体の中にあります。

そこで精巣を冷やすくふうとして、発情していない時は、なるべく精巣を小さくし、
ほかの内臓に触れないようにし、さらに”きのう”とよばれる空気を取りこむうすいまくで
精巣をつつみ、呼吸を利用して精巣を冷やします。

しかし発情すると、精巣の大きさは10倍以上にもなるため、ほかの内臓との接触はさけられず、
温度が上がります。年に1~2回の発情であれば問題ありませんが、いつも発情していると
精巣は常に大きく、これが腫瘍になる原因のひとつ、と考えられています。



ろう膜が茶色に変色します

精巣腫瘍の中には、エストロゲンとよばれる女性ホルモンを分泌するものがあり、
その影響でこのような腫瘍では、鼻のまわりの”ろうまく”とよばれる部分が、茶色になります。

発情したメスでは、この変化は正常ですが、オスでは異常です。

このような症状があるときは精巣腫瘍をうたがいます。

しかし、ろうまくが変色しない精巣腫瘍もあり、
このような場合はレントゲン検査で見つかることが多いです。

病気がすすむと、ほかの内臓を圧迫し、胃や腸の通過障害、
腎不全や歩行異常、腹水などが見られます。



早期発見が大切です

精巣腫瘍の治療には発情をおさえる薬を使います。
しかし、末期になってからでは効果は期待できません。

よって、発情させないように生活環境をととのえる事、
また定期健診で早期に腫瘍を発見する事がたいせつです。