地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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黄色腫(キサントーマ)

皮膚が黄色に変色し腫れる症状を、黄色腫(キサントーマ)といいます。



いろんな鳥種で見られます

セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ、ボタンインコなどの鳥種で見られます。

黄色腫という名前が付いていますが、癌などいわゆる腫瘍ではなく、
高脂血症の状態にある鳥さんに、何らかの刺激が加わった結果発症する炎症です。


原因

最も多いのが、持続発情しているメスのセキセイインコに見られる、お腹の黄色腫です。

発情すると、卵黄の材料となる中性脂肪が作られますが、持続発情することで
多量の中性脂肪が作られ、高脂血症の状態になります。

さらに発情中は、卵を温めるためにお腹の羽を抜いたり、産卵しやすいように腹壁が伸びますが、
これらが刺激となり、お腹に黄色腫を形成します。

また、肝臓が悪くても脂質代謝に異常をきたし、高脂血症になります。

そのような鳥さんに、例えば毛引きによる皮膚への刺激、また、関節炎などによる
痛みに対する皮膚への自咬など加わると、その部分に黄色腫が発生します。


治療

高脂血症に対する内服治療と発情抑制や食餌療法など、
高脂血症の原因に対する治療が必要となります。


生活環境の改善が大切です

黄色腫の原因の多くは、飼い方を見直すことで予防できます。

ヒマワリ、アサノミ、エゴマなど油分の多い種子を与えないことで肝機能障害のリスクは
下げられます。

タバコ・芳香剤の臭いは、毛引きの原因となりますので、鳥さんのいる部屋では、
これらの使用を避けるだけで、毛引きのリスクは下げられます。

持続発情も、短い睡眠時間(暗期)、高栄養の食餌、ケージ内に設置した鏡やおもちゃなど、
生活環境が強く影響しています。

黄色腫も、定期健診と生活環境の改善で、発症率を下げられる病気の一つといえそうです。