地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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鳥の手術(卵管蓄卵材症)

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今回は、当院で実施しているトリさんの手術についてお話します。

以下、手術の写真を掲載しておりますので、ご覧になられる場合、予めご了承ください。




卵管蓄卵材症とは

卵材が蓄積した卵管 卵管蓄卵材症は、卵管内に卵黄や卵白など、卵の材料が蓄積する病気で、原因は、主に持続発情にあると考えられています。

治療法としては、発情抑制剤を用いた内科的治療法と、卵管を摘出する外科的治療法があります。

内科的治療法では卵材を取り除くことができません。あくまで補助的な治療法と言えます。

解決するには、手術で卵管を取り除くことが必要です。



卵材を取り除きます

note-15-003 卵材で満たされた卵管は、非常に大きく、このままでは摘出できませんので、まず、卵管を切開し、卵材を取り除きます。

切開すると、乳白色の卵材が出てきました。この他にも、少し固まりかけた半固形状の卵材が出てくることもあります。

イヌで見られる子宮蓄膿症という子宮に膿がたまる病気がありますが、卵管蓄卵材症は、これとは全く異なります。



卵管を摘出します

note-15-004 卵材を除いた後、卵管と体内をつないでいる間膜とよばれる血管豊富な膜を切り離し、卵管を体外に出します。

卵管は、このように細く長い構造をしています。

卵管の端を切り離して、摘出終了です。



お腹を閉じて終了です

note-15-005 最後に腹筋と皮膚を縫合して、手術は終了です。

卵管蓄卵材症は、持続的に発情しているトリさん、特にセキセイインコで多く見られます。

生活環境の改善や発情抑制剤など内科的な治療で、発情をコントロールすることで、この病気は防げます。

発情が長く続いている、お腹がふくれている、などの症状を認めたら、早めに獣医さんに相談することをお勧めします。