地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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甲状腺腫

甲状腺はホルモンを作る大切な臓器ですが、この甲状腺が腫れた状態を
甲状腺腫と言います。

鳥の甲状腺は胸の狭い場所にあり、周囲には食道や気管、ソノウそして
太い血管が存在するため、甲状腺が大きくなるとこれら臓器を圧迫し様々
な障害が生じます。


症状

初期症状として口を開いて呼吸し、呼吸するたびに”ヒューヒュー”や”キュッキュッ”といった音が
でるということで気付かれることが多いようです。

進行すると各臓器の圧迫がひどくなり、呼吸困難、吐く、循環不全によりくちばしの色が悪くなる
など様々な症状が現れるようになります。

発症の多い鳥としてセキセイインコとブンチョウがあげられますが、もちろん他の鳥でも発症します。

原因

鳥の甲状腺腫の原因で最も多いのがヨードの不足によるものです。

ヨードは甲状腺ホルモンを作る上で大切な材料です。このヨードの供給が減ると体内の甲状腺
ホルモンが減少し、脳から”もっと作るように!”と指令が出ます。

その結果ホルモンをたくさん作ろうとして甲状腺はどんどん肥大してしまうのです。

ヨードの欠乏は、適切な食餌によって防ぐことができます。

一般に主食となっている皮つき餌にはヨードは含まれません。

またボレー粉にも少量含まれる程度で必要量摂取することは難しいようです。

また、一部の野菜では甲状腺ホルモンを作りにくくするものもあり、注意が必要です。

逆にヨードの過剰な投与も危険性をはらみますので、供給には信頼できるペレットや鳥用の
サプリメントで補うのが良いでしょう。

食生活を改善するだけで予防できる病気です

この機会に是非食生活を見直してください。

また、初期症状の段階では食欲元気はなくなりませんが、安心せず早期に受診すること
をお勧めします。