地域のホームドクターとして、愛する動物の健康をサポートします。またさつき台動物病院では、鳥の診療/専用の入院設備も整えています。

さつき台通信

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鳥さんの動脈硬化

鳥さんの心臓や血管の病気、いわゆる循環器疾患はあまりわかっていません。理由は体の大きさや構造の関係で、超音波検査やレントゲン検査など循環器疾患に有効な検査が難しいからです。


動脈硬化についてお話しです

不明な点が多い鳥さんの循環器疾患ですが、
今回は予防が可能ではないかと考えられる動脈硬化についてお話しです。

鳥種

動脈硬化はボウシインコやガン・カモなどの鳥種で報告が多いようですが、
当院で病理解剖検査を実施した際に偶然発見されることも多く、
一般的な飼い鳥でも比較的多いのではないかと考えています。

原因

鳥さんの動脈硬化はコレステロールなどが動脈壁に沈着することで
発生するのが主な原因と考えられています。

よって、動脈硬化を予防するには高脂血症を防ぐ必要があります。
高脂血症の主な原因には肥満、ヒマワリなどの高脂肪食、
コレステロールの代謝に重要な肝臓の機能不全などのほか、
発情期間中はコレステロールの血中濃度が高くなりますので
持続発情は長期間コレステロールの濃度が高い状態になります。

太い動脈で硬化が進行すると高血圧、
心臓への負担から突然死に至ることもあります。

生前に診断をつけることが難しい鳥さんの循環器疾患ですが、
食餌の改善や肥満予防、発情を抑えるための環境の改善など、
生活環境を少し改善するだけで発症率を下げられるのではないかと考えています。